ピョートル•フェリクス•グジバチ著
最近、ピョートルさんの著書を読みあさっているので読んでいる際に付箋を大量に貼っている箇所を自分の復習がてらレビューを書いていきます。
•「ニューエリート」とは?
この本の題名の「ニューエリート」とは何でしょう?
本の中に簡単な比較表が載っていたので引用します。
(P.13から引用)
オールドエリート | ニューエリート | |
性質 | 強欲 | 利他主義 |
要望 | ステータス | インパクト•社会貢献 |
行動 | 計画主義 | 学習主義 |
人間関係 | クローズド(差別) | オープン(コミュニティ作り) |
考え方 | ルールを守る | 新しい原則を作る |
消費行動 | 誇示的消費※ | ミニマリズム |
オールドエリートというのは、私の世代からすると確かに昔ながらの成功者、エリートという感じがする。昭和の世代の「飲む•打つ•買う」のような破天荒なキャラクターが思い浮かぶ。
一方でニューエリートというのは社会貢献、利他主義といった優しい人という感じ。PMBOKの第7版でしきりに出てくる「サーバントリーダーシップ」とも一致している。
最近のマネージャー、リーダーというのはサーバントリーダーシップが流行っているとうことだろう。
サーバントリーダーシップとは…
サーバントリーダーシップとは、リーダーがメンバーのニーズに応え、彼らが最大限の力を発揮できるよう支援するスタイルです。チーム全体の目標達成に向けて、個々の成長と幸福を重視し、長期的な成功を目指します。リーダーの役割は、メンバーが輝くための土台を提供することです。(ChatGPTから)
利他、社会貢献にてチーム全体の生産性をアップするということでニューエリート像とかなり重なる部分が多いと思う。
さて、ニューエリートとは何かわかったので、著書の中での面白かった話をいくつか紹介する
•著者の友人のマサイ人のリーダーの話
マサイ人はもともと文明との接触を極力避け、独自の文化を守っていました。しかし、将来的に生き残るためには変革を避けて通れないことを自覚し、一転してグローバルに打って出る決断を下したのです。(P.26から引用)
マサイ族の人々が原始的な生活を変えていくのには恐怖もあっただろうし、色々な摩擦もあったことと思う。基本的に人は変わりたくない生き物なので、どれだけエネルギーが必要だったことだろう。
さて、その結果マサイ族の人々は現在どうなっているのか調べたところ都市で普通の生活を送っている人や観光業、ガイドで生計を立てているとのこと。
我々はマサイ族ほどの大きな変化を受け入れることはできるだろうか。職場のちょっとした改善はできても、大きな変革や挑戦というのはなかなかできないのではないか。日本は宇宙事業、エネルギー事業、すべて外国の後塵を拝している気がするが、、、
•求められている人材について
グーグルではかつては「T型人材」次は「π型人材」今は「H型人材」が求められているとのこと
それぞれの意味は次の通り
T型人材
専門分野に深い知識とスキルを持ちながら、幅広い分野にも柔軟に対応できる人材。π型人材
2つ以上の専門分野に深い知識を持ち、それらを横断して幅広く活用できる人材。H型人材
複数の分野に深い専門知識を持ち、それぞれの分野を連携させて問題解決に当たる、協調力も備えた人材。
(ChatGPTから)
これによると、職場で長い時間残業して頑張るタイプの人はどうもH型人材にはなるのは難しいかも。私のようにSE+ボクシングというのもH型人材といえるだろうか。(一時期はSEとプロボクサーとして二足の草鞋で働いていたし、、、)
IT業界的には機械学習のコンペ、例えばkaggle等に知り合いなんかと参加しているような人がH型人材ということだろう。
ちなみにグーグルでは20%ルールというものがあり、仕事時間のうちの20%はメインのプロジェクト以外の別のプロジェクトに参加できたり、新しいプロジェクトを立ち上げて活動する、などができるそう。仕事時間中に2軸を作れるというのはとても良いですね。やりたいことが増えれば自分の時間を使って勉強もしたくなるというもの。
•日本女性は世界に通用するリーダーシップを持っている
日本の女性は「空気を読むこと」と「人を立てること」を知っています。女性が人を立てるというと、男性にへつらう様子をイメージするかもしれません。でも、そうではないです。
本物のリーダーシップは、相手が心地よくなるように親切にすること。気持ちを察して気配りをすることです。その結果、周りが恩返しをしようと頑張って働いてくれます。
非常に周りを上手にコントロールしている女性、いっぱい見てきました。周りの男は気分よくコントロールされている(手のひらで転がされている)のに気づきもしないというパターン。
これこそがリーダーシップだったのかと。
職場に女性がいるとうまく回りやすいという話もあるし、日本の女性は優秀ということでしょう。私も技術を盗みたいですね。
•優れたリーダーは質問しかしない
どのような質問をするかというと
「それって本当にうまくいくのか?」「実現する根拠はなんだ?」なんてやる気をなくすような質問とは違います。
「予算や納期などの制限がなかったら?」「10倍のリソースがあれば?」
(P.196から引用)
今までの会社で質問をされるようなケースは経験的に前者のような会話が多いと思う。後者のような質問はされたことがないが、色々な可能性を頭の中で考えることができるすばらしい質問だと思う。
質問形式になることで頭が勝手に色々な可能性を考えるようになるが、後者の聞き方はいろいろな仮定をすることでチャンスを逃さない、または誰も気づいていなかったリスクに気付くことも可能だと思う。
•心理的安全性について
部下の文句ばかり言っていて、どうにかしてほしいとピョートルさんに相談に来る人がいるそう。
こういった上司に対しては上司がダメなので辞めてもらった方がいいです。とのこと。
そういうことかというと、チームとの信頼関係が築けていないのは明らかで信頼関係が築けていないということ。これではチームのモチベーションや生産性は上がらないとのこと。
「働きがい」がビジネスに与えるインパクトは大きく、例えば生産性は21%アップ、利益は22%アップするというデータもあるほどです。
(P.254から引用)
従業員の働きがいが利益に直結しているのなら、働きがいも上げるのは上司として期待される役割になってしまうのは必然ですね。
他にも無数にかきたいことがありますが、気になった方はぜひ書籍をご確認ください。
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