PMP試験の勉強で覚えた用語をかみ砕いて理解するための記事

1. コントロールアカウントの概要と背景

コントロールアカウントとは、プロジェクトを管理しやすくするために細分化された単位であり、スコープ、コスト、スケジュールのパフォーマンスを監視するためのポイント。プロジェクトマネジメントにおいて、特にコスト管理や進捗追跡で重要な役割を果たす。通常はWBS(Work Breakdown Structure)の特定のノードに設定され、計画や実績の追跡基準となる。

ITプロジェクトの中の実務では、各フェーズごとに進捗を追跡するためにコントロールアカウントを設けることがある。これにより、フェーズごとの成果物やコストを測定し、プロジェクトの全体像を管理することができる。

2. コントロールアカウントとは?

コントロールアカウントでは、以下のような活動を行う。

  • スコープの管理: プロジェクトのスコープが変更されていないかを確認し、計画に対してどの範囲まで達成されているかを把握する。スコープの逸脱を早期に検出し、是正するための措置を講じる。
  • スケジュールの監視: スケジュールのパフォーマンスを監視し、各タスクが計画通りに進んでいるか確認する。スケジュールの遅延が発生している場合には、対策を検討し、必要なリソースの追加やタスクの再割り当てを行う。
  • 進捗とコストの測定: プロジェクトの特定部分の進捗状況やコストを定期的に測定し、計画と実績の差異を分析する。
  • パフォーマンス評価: Earned Value Management(EVM)を使用して、予算内での進行状況を評価し、将来のパフォーマンスを予測する。
  • 修正アクションの決定: 進捗が遅れたりコストが超過している場合、早期に問題を特定し、必要な修正アクションを決定する。
  • 透明性の向上: プロジェクト全体の透明性を保ち、関係者に対してプロジェクトの健康状態を定期的に報告する。

コントロールアカウントの設定頻度は、プロジェクトの規模や複雑さによって異なるが、一般的には各フェーズや主要な成果物が完成するタイミングで設定するのが望ましい。

コントロールアカウントの設定頻度は、プロジェクトの規模や複雑さによって異なるが、一般的には各フェーズや主要な成果物が完成するタイミングで設定するのが望ましい。

コントロールアカウントは、プロジェクトの特定部分における進捗やコストのパフォーマンスを評価するための管理ポイントで、WBSの特定の部分に配置される。コストとスケジュールの両方を追跡できるため、プロジェクトの予算内で進められているかどうかの確認に役立つ。また、予算編成やEVM(Earned Value Management)と関連しており、プロジェクトの健康状態を測定するのに欠かせない。

PMPの知識エリアでは、コスト管理、スケジュール管理、そしてスコープ管理の3つに関係する。これにより、プロジェクトマネージャーは各フェーズの進捗状況を把握し、必要に応じて修正を行うことでプロジェクト全体の成功をサポートできる。

似た用語でマイルストーンがある。コントロールアカウントが進捗やコストを監視し、パフォーマンスを測定するための管理ポイントであるのに対し、マイルストーンはプロジェクトの重要な節目を示し、特定の成果物の完了を示す記録的なポイントであるという点にある。

つまり、コントロールアカウントは継続的な監視と管理を目的とし、マイルストーンはプロジェクトの進捗を示す記録的なポイントに焦点を当てている。

3. 実務での適用例

ソフトウェア開発プロジェクトで新しい機能をリリースする場合の例では、コントロールアカウントを使って各機能開発のフェーズ(設計、実装、テストなど)ごとに進捗を追跡する。この管理ポイントを活用することで、特定のフェーズが計画どおり進んでいない場合に早期に問題を発見し、リソースの再配分などの対策が可能になる。

仮に、あるプロジェクトのテストフェーズで予定よりも遅れていることがコントロールアカウントで把握できたとする。この時点でリソースを追加して遅れを取り戻すといった対応が可能になる。

4. アンチパターン – コントロールアカウントを使わない場合の問題点

コントロールアカウントを設定せずにプロジェクトを進めると、進捗の把握が困難になり、問題が顕在化したときには既に修正が困難な状況に陥ることが多い。例えば、進捗が遅れていることに気づかず、プロジェクトの最終段階で納期に間に合わないと判明する場合がある。

具体的には、システム開発プロジェクトで全体のスケジュール管理が不十分だったため、テストフェーズで多くの不具合が見つかり、リリースの直前で大幅な修正が必要になり、結果的に納期が遅延する事態が発生することがある。

これは、コントロールアカウントを適切な頻度で設定していれば、早期に問題を把握して対応することが可能だったかもしれない。

つまり、コントロールアカウントを使わない際のリスクとしては、プロジェクト全体の透明性が低下し、管理不全によるコスト超過や納期遅延が発生するリスクが高まることが挙げられる。

5. 学びと今後の展望

コントロールアカウントを適切に活用することで、プロジェクトの透明性を確保し、進捗の遅れやコストの超過を未然に防ぐことができる。他のPMPプロセスやツール、例えばEVMと組み合わせることで、より精緻なプロジェクト管理が可能になる。次に学ぶべきは、コントロールアカウントを活用したEVMの具体的な活用方法だろう。

6. まとめ

コントロールアカウントは、プロジェクトの進捗やコストの管理を行う上で重要な管理ポイントであり、適切に活用することでプロジェクトの成功確率を高めることができる。

7. PMP試験で出そうな問題例と解答

  • 問題例: コントロールアカウントの役割として適切なものを選べ。
    1. プロジェクトの全体計画を作成する
    2. プロジェクトの特定部分の進捗とコストを追跡する
    3. ステークホルダーの要求を管理する
    4. リスク対応計画を策定する
    解答: 2. プロジェクトの特定部分の進捗とコストを追跡する
  • 問題例: コントロールアカウントが最も頻繁に使われるプロセスグループはどれか。
    1. 立ち上げ
    2. 計画
    3. 実行
    4. 監視・コントロール
    解答: 4. 監視・コントロール

投稿者 kojiro777

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