PMP試験の勉強で覚えた用語をかみ砕いて理解するための記事。
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1. パス・ゴール理論の概要と背景
パス・ゴール理論は、アメリカの心理学者ロバート・ハウス(Robert House)によって提案されたリーダーシップ理論であり、リーダーがメンバーの目標達成をどのように支援し、動機付けを行うかを説明するもの。この理論は、リーダーがメンバーに対して明確な道筋(パス)を示し、その目標達成(ゴール)に向けて支援することが重要であると主張する。 パス・ゴール理論とは、リーダーシップ理論の一つで、リーダーがメンバーの目標達成をどのように支援し、動機付けを行うかを説明するもの。この理論は、リーダーがメンバーに対して明確な道筋(パス)を示し、その目標達成(ゴール)に向けて支援することが重要であると主張する。
PMPにおいては、この理論はチームマネジメントに関連し、特にプロジェクト実行プロセスでのリーダーシップスタイルの選択に影響を与える。リーダーがプロジェクトチームを効率的に動かし、ゴール達成を促すために適切な指示や支援を提供することが求められる。
実務では、プロジェクトリーダーがチームメンバーの課題を明確にし、目標を達成するための具体的な道筋を示す状況で適用される。
リーダーシップスタイルは状況に応じて異なり、以下の4つの主要なスタイルが存在する。
- 指示型: メンバーに対して具体的な手順を示し、何をどのように行うべきかを明確にする。
- 支援型: メンバーのニーズに応え、感情的なサポートを提供する。
- 参加型: メンバーの意見を取り入れ、意思決定に参加させることで、メンバーの主体性を促進する。
- 達成志向型: 高い目標を設定し、メンバーがその達成に向けて挑戦するよう動機付ける。
2. パス・ゴール理論とは?
パス・ゴール理論は、リーダーがチームメンバーに対して目標達成に必要な道筋を示し、そのための障害を取り除くことで、メンバーのモチベーションを高めるアプローチを指す。
パス・ゴール理論は、プロジェクトマネジメントにおいて、リーダーが状況に応じて最適なリーダーシップスタイルを選択するための指針となる。例えば、次のような状況では、以下のリーダーシップスタイルが適切とされる。
- 指示型: メンバーが初めて取り組む作業で何をすべきか分からない場合、リーダーが明確な手順とスケジュールを提示して進捗をサポートする。
- 支援型: チームメンバーが過重なストレスを感じている状況では、リーダーが感情的なサポートを行い、リソースを調整して負担を軽減する。
- 参加型: メンバーが専門的な知識や経験を持ち、タスクの進め方について意見を求められる場合、リーダーが意思決定に彼らを積極的に参加させる。
- 達成志向型: チームが高い目標に挑戦している場合、リーダーがモチベーションを高める目標設定や成功報酬を活用し、挑戦意欲を引き出す。
この理論は特に「プロジェクト資源マネジメント」知識エリアで頻繁に取り上げられ、チームメンバーの動機付けと目標達成のサポートに役立つ。
3. 実務での適用例
例えば、あるプロジェクトにおいて、メンバーが新しい技術に不安を感じている状況があった。この場合、プロジェクトリーダーは支援型リーダーシップを採用し、メンバーの悩みに耳を傾けつつ、必要なトレーニングやリソースを提供した。その結果、メンバーは自信を持って技術を習得し、プロジェクトの目標達成に貢献できた。
また、例えばメンバーが過去のプロジェクトで失敗した経験から新しいタスクに不安を感じている場合、リーダーはまずその不安の原因を丁寧に聞き取り、必要に応じて個別のフォローアップを行う。さらに、メンバーが安心して作業できるように定期的な進捗確認や成功事例の共有を通じてサポートを強化する。このような支援型リーダーシップによって、メンバーは精神的に安定し、作業効率を向上させることができる。
別の例として、以下の各リーダーシップスタイルの具体的な適用シナリオを挙げる。
- 指示型: 新しいシステム導入時に、リーダーがメンバーに対して「次に何をすべきか」を細かく示し、スケジュールやタスクの具体的な進め方を明確に伝える。これにより、メンバーが迷わず効率的にタスクを進められる。
- 支援型: メンバーが過去に失敗した経験から新しいプロジェクトに不安を感じている場合、リーダーが心理的なサポートを行い、状況に応じて追加リソースを提供することで、メンバーの不安を軽減する。
- 参加型: プロジェクトの初期段階で、メンバーがタスクの分担方法について意見を持っている場合、リーダーが積極的にメンバーの意見を聞き、そのアイデアを採用することで、チームの士気を高める。
- 達成志向型: リーダーが高い売上目標を設定し、その達成に向けてメンバーを鼓舞する。リーダーは目標達成後の報酬や成果を明確に示し、メンバーが挑戦意欲を持てるようサポートする。
また、実務での炎上しているプロジェクト等のシビアな環境ではこれらを複合的に組み合わせてプロジェクトを推進していくことが求められる。
例えば、プロジェクトが納期直前でトラブルを抱えている場合、指示型のスタイルで明確なタスクの優先順位を設定しつつ、メンバーの精神的負担を軽減するために支援型のサポートを併用する。また、メンバーから解決策のアイデアを募るために参加型を取り入れ、全体の士気を高めることも有効である。これにより、緊急対応とチーム全体のモチベーション向上の両立が可能となる。
4. アンチパターン – パス・ゴール理論を使わなかった場合の問題点
パス・ゴール理論を活用せず、リーダーが一貫して指示型のリーダーシップをとった場合、メンバーは自主性を失い、モチベーションが低下することがある。例えば、全ての意思決定をリーダーが行い、メンバーの意見を一切聞かない場合、メンバーはプロジェクトへの主体的な関与を失い、パフォーマンスが低下するリスクが高まる。
結果として、プロジェクトの進行が遅れ、最終的な成果物の質にも悪影響を及ぼす可能性がある。
※(筆者の体験ではなく、例です。)
5. 学びと今後の展望
パス・ゴール理論から学べることは、リーダーシップスタイルを状況に応じて柔軟に変えることの重要性。特にプロジェクトのフェーズやチームメンバーの状態に応じて、指示、支援、参加、達成志向のいずれかのスタイルを選択することで、チームのパフォーマンスを最大化できる。
今後は、他のリーダーシップ理論や動機付け理論との組み合わせも考慮し、より効果的なチームマネジメントを目指すことが有効。例えば、状況に応じて「期待理論」や「マズローの欲求段階説」と併用することで、さらに強力なモチベーション管理が可能となる。
6. まとめ
パス・ゴール理論は、リーダーがチームの目標達成を支援するためのアプローチを示す。状況に応じたリーダーシップスタイルを選択することで、チームの動機付けとパフォーマンスを最大化できる。
7. PMP試験で出そうな問題例
- パス・ゴール理論におけるリーダーシップスタイルの中で、メンバーが自主性を高めるために使うべきスタイルはどれか?
- 指示型
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- 支援型
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- 参加型
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- 達成志向型
正解は「3. 参加型」。メンバーの自主性を促進するために、意見を取り入れることが重要。
- パス・ゴール理論が最も効果的に使われるプロセスグループはどれか?
- 立ち上げプロセス群
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- 計画プロセス群
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- 実行プロセス群
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- 監視・コントロールプロセス群
正解は「3. 実行プロセス群」。リーダーシップを発揮してチームを動機付け、目標達成に向けてサポートする段階であるため。